奇跡とか宝クジとか

「頑張る。年末までに退院したいから」

 

やる気はありがたい。されど既に年末だ。

 

なんで期末テスト直前のやる気みたいな感じで、リハビリをクリアできると思うのだろう。

 

界王様に頼まない限り、リハビリにチートは難しいのではないかな。

 

 

確かに今月に入ってから、息子は積極的リハビリに取り組んで、見舞いの際には自主練もしていた。

が、ほぼスマホの艦これに時間を費やし、あまつさえ課金さえしていたものである。

 

艦これをするなとは言わないが。病院が指定するリハビリ時間と、見舞い時間以外を寝転んで過ごしていたら、まあまあ退院できまいよ。

 

 

歩行リハビリを始めた頃、テレビで効果的な方法を見た。

ベッドサイドで立つ座るを繰り返すだけで、血行や筋肉によく効くという。

主治医に許可を得て、本人に勧めてみたが、面倒くさがってやらなんだ。

それも今月に入り、ようやく取り組み出したのである。

 

 

どうなのかな。

 

 

30日のアメトークみんなで見たい。

家族3人で年越ししたい。

食事療養費とオムツとパジャマと車椅子、月に8万円以上かかるの本当にキツい。

 

息子とわたし、双方の思いだ。

 

 

しかし、今の状態を見ると。

わたしが医者なら、退院の許可を出さない気がする。

 

 

もちろん息子には言わなかったけれども。こういう冷徹な感じが、息子を安らかに、大らかにできなくて、追い詰めてしまっていたのかもしれなくて。

 

奇跡が起きたり宝クジが当たったりするといいなと思った。

宝クジは売り場がわからないから買っていない。

 

 

■読んだ本:

邪悪なものの鎮め方  内田樹  バジリコ

焼き鳥の丸かじり  東海林さだお  朝日新聞出版