シゲル(仮)とヨシコ(仮)
息子はトイレに座ってうんこができた。
量は細め2センチほど(本人談)
ぽとっ、と落ちる音。確かに聞いたよ。
肛門の感覚はないみたいだけど、いきんで出すことができた。
泣きそうフライデー。
息子は自分でお尻を拭いて、中腰の姿勢になった。おむつを直してやる。
この子をもういちど、育てさせてもらえているような気がする。
シゲル(仮)とヨシコ(仮)は、息子の祖父母で、私とは無関係。元夫の両親だ。
悪い人たちではない。
悪い人ではないというのは、おおむね悪口の前置きだ。
生の鶏肉に片栗粉をまぶしていきなり揚げる唐揚げを披露されたり(味付けなし)、知らない祖母の法事に宮城まで泊まりがけで来いと言われたり(お車代も宿泊費も自腹。元夫と息子だけ行かせた。)いろいろあったが。
悪い人たちではなかった。
東日本大震災の日。
電車が止まって、4時間かけて歩いて帰った。
今なら徒歩2時間で帰れるのだが。まあいい。
保育園と小学校から、娘と息子をピックアップして帰宅したところ、うちの前にシゲル(仮)とヨシコ(仮)がいた。
私より前に娘と息子を迎えに行ったものの、保護者でないため受け取れず、心配で待っていてくれたのだ。
買ってきてくれたお弁当と、カイロをくれた。
元夫と離婚してからほとんど連絡を取ることがなかったのに。非常時に孫のことを、こんなにも心配して、ここまで来てくれたのだ。
息子の自殺未遂以降も。
ほぼ毎日、シゲル(仮)とヨシコ(仮)は、息子に会いに来てくれた。
テレビカードを買ってくれた。
息子のリハビリに立ち会い、理学療法士に意見した(そういうとこだな!?!)
孫を愛し、惜しみなく愛を示してくれる。
ありがたいな、かなわないなと思う。
でもやっぱ、あんまり好きじゃない。
悪い人たちではないんだけれども。
■読んだ本
・ランチ酒 原田ひ香 祥伝社
・明るい夜に出かけて 佐藤多佳子 新潮社
・昆虫は美味しい! 内山昭一 新潮新書