あれはここだったのか
ただ歩く。
45分で息子のリハビリ病院に到着する。
地図を見ながら歩くのは面白い。
バスや電車や人の車で移動するとき、どこを通ってどこに着いたのか、あんまりよく知らなかった。
ここか!
歩く先に、見たことのある看板が出現する。
車の速度で捕捉できなかった町を、歩いてひとつずつ捕まえる。
…ケーキ屋さんかと思っていたが、美容院だったんだ。
私はいわゆる方向音痴である。ナビを頼まれると、地図をぐるぐる回すタイプだ。
現在地と行先から、ルートを確認。
自分で組んだルートを足で歩いてみると、東西南北が意識できるようになってきた。
住宅街など無表情なところでも、概ね北に向かえばいいはずだ、といったルートファインディングができるようになった。
富士山と丹沢の山々の位置とか。
太陽の位置とか。
方向がわかると、地図を俯瞰で感じることができて、これもまた面白い。
平面から、鳥の目を獲得した感じ。
方向音痴でない人は、もとよりこんな感覚だったのだろうか。
ともあれ、方向音痴を自認する人には、地図を見て自分でルートを組んでみると、存外楽しいとお伝えしたい。
方向音痴でも、鳥の目で世界を見ることができるぜ!