お相撲は面白くて、見たら心が動いたりするという話

丸から出たら負け。

手とか膝とかついたら負け。

相撲はわかりやすい。

 

 

退社後のまぐろ屋でビールを飲んでいたら、会長がテレビのボリュームを上げた。

見るともなく見ると、お相撲さんとお相撲さんが相撲を取っていて、黒いほうが勝った。

 

日曜日に芋を剥きながらテレビを見ていたら、相撲が始まり、意外に面白く見ていた。

鍋に火を入れる頃、この間の黒いほうが出て、なんか強いのに勝った。

黒いのは、髪乱れすぎでハアハアしながらインタビューに答えていて、なんかかわいいなと思った。

 

黒いのはまわしの色で、その力士を豪栄道という。

f:id:sunagimoshiode:20200128034841j:image

相撲協会公式の画像↑

 

意外に面白いので、まぐろ屋ではテレビが見やすいカウンターの端に座るようにした。

相撲のある日、その席が埋まっていたことがある。

1人で来たのに会長がテレビが見えるテーブル席を勧めてくれた。

長居はしないが有り難く相撲を見ながら酒を飲んだ。会長はひまな時には向かいに座って、相撲談義をしていた。

 

 

そうやって相撲が好きになっていった。

 

 

他にもいいなと思う力士が見つかった。

鶴竜、妙義龍、安美錦

※当時

今もよくわからないのだけど、たぶん、相撲が上手いと言われる人を好きになっているようだった。

あと、お菓子のひよこみたいな体つきの力士が好みだとわかった。豊ノ島なんか最高。

※モアイみたいな長身力士はあまり好みじゃないらしいです。

 

お相撲、見に行きたいな。

 

高いのかな。(椅子席ならそうでもない)

 

調べたら、インターネットでチケットの予約抽選販売があった。

以来ずっとチケット大相撲で国技館に行っていたのだけれども、今回は抽選に落ちて買えなかった。

 

 

相撲を見に行くのは楽しい。

国技館にしか行ったことがないのだけれども、来ている人誰もが楽しそうに行き交っている。

売店で買った缶ビール片手に、館内をひやかしたり。力士の入り待ちをしたり。お土産を買ったり。

その間にも土俵では取組がある。

入場の際に取組表がもらえるから、贔屓の力士が出る前に、席に戻ればいい。

 

席に戻れば、力士への声援だ。

ビールを飲みながら、にく処竜電のローストビーフ重1000円を頬張りながら。

声を限りに、その名を叫ぶ。

おっと時間いっぱいだ。

力士が集中してるときは、静かにしようぜ。

手拍子なんて、最悪だ。

 

 

太郎のカウンターで飲んでいると、相撲中継の音声が聞こえた。

 

豪栄道、勝ちましたか?

 

思わず声に出すと、店主は驚いた顔をしながら、大きなモニターのスイッチを入れてくれた。

 

それから相撲の期間中、行くと店主の斎藤さんは、黙ってモニターを付けてくれるようになった。

 

斎藤さんのお父さんは愛嬌のあるおじいちゃんで、妙義龍が贔屓だと知った。

おじいちゃんが店にいると、わたしも楽しくて、お酒を飲みながら相撲の話をして(時間が早いから他のお客さんもいなくて)斎藤さんも加わって、わたしは豪栄道鶴竜が好きなんですけど、あんまりなんだか大きく勝たないんですよね、と言ったら、優しいのかな、気持ちが優しいのは難しいんだよと、言われた。

 

今場所は家のテレビで見た。

息子の見舞いは早々に切り上げ(息子もお分かり)見られる相撲は全部見た。

 

カド番の豪栄道は負け越して、陥落が決まった。

 

豪栄道大関になってから、一度だって安心したことなんかない。

毎場所、取組ごと、心配で。

見に行けたときは、思いが届いて欲しいと、豪栄道と叫んで。

全勝優勝した場所だって、14日目まで安心できなかったんだから。

強いのに。上手いのに。

豪栄道豪太郎は、わたしにとって、そんな関取だった。

 

琴奨菊みたいに。

栃ノ心みたいに。

高安みたいに。

これからも、相撲を取ってほしかった。

 

 

 

鶴竜と、北勝富士と、竜電と、豊山と、阿炎と、錦木も、照ノ富士も、みんなみんな。

頑張ってください。見ています。

 

f:id:sunagimoshiode:20200128024642j:image

クリアファイルカッコいいでしょう!自慢。

裏は三横綱です。

f:id:sunagimoshiode:20200128024802j:image

最後のこれより三役を。